友達の生霊に憑かれたけど気づかなくて具合を悪くした話。


コラムかエッセイ スピリチュアル

世の中には、幽霊と妖怪、そして神といった目に見えない生き物が存在するらしい。人の中にはその生き物たちを目に映すことを得意とする奇異な人もいるらしいが、私はその人の目を借りることはできない、本当のところでどうかはわからない。

ここでちょっとの余談に付き合ってほしい、先生の話だ。私には先生がいる。占い師の先生だ。その先生は、占い師というよりも肩ごしの未来をみることを得意とする霊能者。そんな先生を持つ私も霊能者だと思われがちだが、私は非凡な占い師。先生の器量と才能に惚れ込んで随分長い付き合いとなってしまった今では腐れ縁の言葉がよく似合う。

私は、先生にいくつものオカルト話を聞かせてもらっていた。リアルで本当にあった、私の世界にはない不思議な世界の話を。どんなチープな話でも先生の話を信じる私は、先生の覚えている限りのオカルト話を聞かせてもらってきただろう。いくつか先生と私の話が書けたらいいが、今回は私の話だ。この箸休めは、私はオカルトが大好きでその世界を信じているんだっていうことを言いたかったし、不思議な体験をしてきたからこそ信じざるを得ないということもわかってほしい。

本題に戻ろう。

私は長く寝込んでいた。ぐったりとしてベッドの上で呆けていたのだ。そのうちウトウトといつの間にか寝てしまっている、そんな生活が続いていた。その中でもしていたことは、最低限の生活、お風呂や食事。そして、私の生活の一部となっていた手記を書くこと。

お風呂にはバスソルトを持ち込み、ぼんやりとする頭の上に塩を乗せて遊ぶ日課は、体のだるい私には唯一の娯楽のようなものになっていた。お風呂からあがったら自分の手帳に日々の報告や考えた事、なんでも書き記す悪い癖を発揮する。私にとって書くことは日課というよりも癖に近く、なんでもメモし続けている私を母はメモ魔だと笑う。

その手帳には日々の日課だけではなく、私の持つ知識も詰め込まれている。私の友達は皆その手帳の存在を知っている。いくつものお守りをぶら下げている手帳は特徴的だ。手帳には予定も書き込むし、何かを友達に説明する時にも使われているこの手帳に興味を持つ人は多い。

sponsored link

その日もぐるぐると頭の中を回遊する知識のなりそこないをメモしていたとき、ふと何を思ったのか私は手帳の写真を撮った。リビングの光のある中でスマホのシャッター音が響く。そのとき、部屋には誰もいなかった。

私はそれから、メモを続ける前に写真をマジマジと眺めた。オカルト好きの悪い癖のひとつ、写真には何かが映るんじゃないかって期待をしている。お察しの通り、期待は裏切られなかった。

その写真は手帳を渦巻くように黒々としていた。もう一度写真を撮った。リビングの光のせいかと思ったのだ。しかし、黒々としているのは光のせいだけではなかったようで、角度を変えても手帳だけが黒くなっている。

まさか神社のお守りがたくさんついているこの手帳がなんということに。・・・・・・

私は何かが起きていると感じた。そのまま、その写真を友人へ送り、みていただくことにした。

「ほほがしっかりしている感じの賢い女の子、目がぱっちりしている・・・・・・。」

友人は、写真を見てそういった。どこに幽霊が映っているのかと記してもらった。確かに誰かが映っているのだ。影が人の形を模している、誰かがこちらを睨んでいる。私の友達に、ほほがしっかりしている目がぱっちり、そして賢い女の子。いる。最近、メンタルを壊して体がガリガリに痩せてしまった友達がいる。

どうして?私は不思議でならなかった。彼女は私に何かの恨みがあるんだろうか。友人は続ける。

「うらやましいんだって。」

羨ましい。人はどんな境遇であっても自分を認めることができない人は人を羨む癖がある。どうして私だけ?どうしてあの子は?どうして、と。いいな、いいな。あなたはそんな言葉を唱えたことはないだろうか。

私の友達は、呪文のように、いいな、いいな、うらやましいな、と私を呪ったらしい。

幽霊の常套句はうらめしや~だ。うらやましいとうらめしや、気づいた人はいるだろうか。羨ましいは、どこかで恨めしいのだ。憎いと人を呪う言葉が「羨ましい」という意味だ。

私の手帳に憑いて、私に憑いて、私の運気を吸ってちょっとだけ運気がよくなった彼女は、次に運気がどんどん落ちていったらしい、爪が割れ、膝にあざができ、拒食症のように栄養が身につかないと嘆いていた彼女は、体の中に収めておくべき魂のかけらを私に飛ばす代償をそうしたところでトントンにしていく。

それから間もなくして彼女は精神病を悪化させ、倒れることとなった。

すべてが終わった後、私は彼女に

「私、人から羨ましいって思われてるみたいなんだよね。」

と言った。彼女は、

sponsored link

「私はあなたが羨ましい。知っていることがいっぱいあって、羨ましい。」

と答える彼女は、私の努力を知らない。私は産声をあげたとき、彼女と同じ無知であったことを彼女は知らない。


そういえば、塩で頭を洗うブームはこのときだけだった。

そういえば、自分の手帳を写真にとって友達に見せようと思ったのもこのときだけだった。

そういえば、肩こりがひどすぎてクッション型のもみほぐし機を使ったら壊れて動かなくなったのはこのときだった、すべてが終わったら直っていた。

そういえば、母が私の部屋の空気が悪いと一歩も入ってこなくなった。

そういえば、寝ているとき、口の臭さがひどく気になったが自分の口臭ではなかった。

そういえば、部屋がピシピシと屋鳴りをいつも以上に鳴らしていた。

そういえば、友達が大好きなスマホゲームに私も熱中していた。

そういえば、友達の仕事の休憩時間と夜の時間が私の発狂しそうな時間だった。

そういえば、耳の裏側でコソコソと誰かがしゃべっているのに、何を言っているのかがわからない感覚があった。うるさかった。


それから私は、どうしたらいいのかがわからなくなった。先生に「生霊を飛ばす人は生霊をお返しすると不幸が相手に返っていく。」と教えられていたからどうしたらいいかがわからなくなってしまったのだ。

友達が私に憑いている、私はとても迷惑を被っている。そして、生霊に憑かれることは初体験であり、これから先もこんな経験は御免だと思う。このままでは困る、でも友達が不幸になるのも嫌だ、私の弱いところはそういうところだ。

泣く泣く、忙しいと怒るだろうなと解っていながら、先生に電話をすることとなってしまった。それから先生は、私を叱った。どうして生霊を飛ばしてくる友達をかばうのか、と。悩むことは何一つないこと、彼女の罪は彼女の罪であり、私の罪はひとつもないこと。そして、生霊を飛ばされた私は一方的な被害者であること。私の声が落ち込んでいることにも怒っていた。理不尽だと思うだろうか、先生はなんだかんだ怒りながらもしょうがないなあ、と言って私をかばってくれるような人なんだ。

叱り終わったあと、どうしたらいいのかを教えてくれた。三日間のとある作法ひとつで生霊は戻される。私に憑いていた恨みは、大元の人のもとへ返される。しつこい人であれば、何度も何度もしなくてはいけないが、一回返した場合は、その後数日間はこちらへ飛ばしてくることはない。エネルギーがどんどん生霊を飛ばすたびに落ちていくらしいから、結局負けるのは生霊を飛ばした当人ということになる。

最後に彼女は精神病を悪化させて、玄関で倒れてしまったときに、友達と私の戦いは終焉を迎えた。

sponsored link

それから、先生は私にこういった。

「生霊飛ばす人は、恨みが強い。そういう人は精神が弱い。弱い人は、人のせいにする癖がある。そして、生霊を飛ばされた側はエネルギーを吸われていくけど、生霊を飛ばしている側もどんどん弱っていく。今回、あなた自身が弱い気持ちになってしまったこと、同情したことは全くもって筋が通っていない。強くなりなさい、心を強く持ちなさい。生霊を返すことはあなたが人を不幸にしたわけではない、勝手に不幸になる事を相手がしたことをわかりなさい。」

元気になった私は、友達としばらく距離を置くことにした。先生もそれがよいという。目にはいらなければ、恨みようがないこともある、と。

人は生きているだけで人に羨ましがられることがある。生霊に憑かれてしまうことは防ぎようがないこと。

しかし、自分が生霊を飛ばさないことはできる。いいな、いいな、うらやましいな。あなたはそんな気持ちを捨てられますか。いいな、いいな、うらやましいな、この気持ちを持っているなら、生霊を飛ばしているかもしれませんね。

あなたの不幸は、あなたの羨ましい気持ちが呼びおこしていることもあるのです。

関連記事一覧

関 連 夢 占 い 夢占い 夢占い:生霊 関 連 記 事 友達の生霊

2018/08/23生霊

Posted by sanro